プロスペクト理論とは?行動経済学・心理学からみる投資術

「利確がいつも早すぎる」、「自分の持ったポジションに逆行する」といった悩みは誰しもあるものです。

「勝ち」も「負け」も確率は50%、そう思っていませんか?

はたして本当にそうなのか、 今日は「プロスペクト理論」から探ってみましょう。

あなたが投資に勝てない理由がそこにあるかもしれません。( ;∀;)

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論は、行動経済学・心理学に分類される有名な理論です。

1979年、アメリカのダニエル・カールマンとエイモス・トベルスキーによって発表されました。

ダニエル・カールマンはノーベル経済学賞を受賞するなど、経済学者として名を残しています。

Wikipediaを参照すると以下の事柄が書いてあります。

プロスペクト理論(プロスペクトりろん、英: Prospect theory)は、不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96

難しいことが書いてあるので、もうすこし噛み砕いて説明していきましょう。

人の意思決定は左右される

プロスペクト理論が言いたいことは、「人の意思決定は、さまざまな心理的要因によって左右される」ということです。

心理的要因によって左右されれば、当然結果の確率に変化が生じ、投資で勝てる確率が50%でないことが分かるわけです。

もともとは、「損失回避の法則」というものが心理学に存在しますが、それを投資の世界に落とし込んで考えられたのが「プロスペクト理論」です。

プロスペクト理論の元となった実験は、カーネマンが「一つだけの質問による心理学(psychology of single questions)」と呼ぶ手法を用いて行われました。

この手法は、心理学者のウォルター・ミシェルが用いた手法を参考にして行われたものです。

人は損を嫌がる

大前提として、「人は損を嫌がる」ことが挙げられます。

これは理解がしやすいと思いますが、誰しも損はしたくないですよね。

自分では中立の立場をとっている気になっていたとしても、実際に心の中では中立ではないことはよくあることです。

相場を見るうえでも、必ず偏見によって自分の理論は崩れていきます。

「損」を避けたいがゆえに「得」をつかみ損ねる

「損を嫌がる」ことは時に「得を避ける」行為に結びつきます。

「成功するコツは行動すること」と著名人が言ったりしますが、そのことは「プロスペクト理論」でも説明できるのです。

事例1

損を避けることで損をする問題

いま、あなたに以下の選択肢が与えられました。どちらを選択しますか?

選択肢①: 勝率50%の賭け事に、勝てば100万円が貰えます。しかし、負ければ50万円失うことになります。

選択肢②: 賭け事に参加せずに無条件で20万円が貰えます。

この場合、心理学的には選択肢②を選ぶ人のほうが多くなります。

「50%の確率で損をする」というリスクを回避し、「100%の確率で確実に20万円を手に入れよう」 という心理が働くためです。

しかし、プロスペクト理論で考えるとこの選択は間違いだといえます。

両者の期待値を計算してみましょう。


参加する場合:(100万円×0.5) + (-50万円×0.5) = 25

参加しない場合: (20万円×1) + (-0万円×0) = 20


実際は、参加したほうが期待値が高いのです。

「損を避けること」は時に「得を逃すこと」につながることが理解いただけたと思います。

補足

上記の選択肢は、「プロスペクト理論的には」参加することが正解です。

あくまでも 「プロスペクト理論的には」 正解であって、確実に正しい選択とは限りませんのでご注意ください。

実際は数字では表せない

事例1では実際に期待値という数字で表せました。

しかし、実際の世の中では数字で表せることは限られており、判断が難しい場合が多くあります。

事例2

数字で表せない事例

いま、あなたは3万円の掃除機を値切りし、2万5千円にしてもらいました。

しかし、2万円まで値下げしてほしいあなたは、値切り交渉を続けるか迷います。

交渉が成功した場合、あなたの希望の値段になりますが、失敗した場合、かえって怒らせてしまい、本来もう少し下げてもらえるところを下げてもらえないことになるかもしれません。

こうした場合はどうしますか?

この場合は、期待値という実際の値では表せません。

交渉が成功する確率を表すことも不可能です。

しかし、誰しもこうした駆け引きの状況に遭遇したことはあるはずです。

その際、いかに合理的に判断できるかがカギになってきます。

「損」は判断を狂わす

「プロスペクト理論」はもうひとつ言っていることがあります。

それは「損は判断を狂わす」ということです。

以下の事例を考えてみましょう。

事例3

あなたは、100万円の借金を背負っています。

その中で、以下の条件が与えられたときにどちらを選びますか?

選択肢①:50%の確率で100万円もらえるが、50%の確率でさらに50万円の借金を負う。

選択肢②:無条件で30万円もらえる。

心理学的には、選択肢①を選択する人のほうが多くなります。

「100%の確率で確実に30万円を支払う」という損失を回避し、「50%の確率で支払いを免除されよう」 と考えるのです。

しかし、事例1と同様に期待値を考えると、


選択肢①:(100万円×0.5) + (-50万円×0.5) = 25

選択肢②:(30万円×1.0) + (-0万円×0.0) = 30


となり、選択肢②のほうが期待値が高くなります。

こうして、人々は心理的要素に絡めて損する選択肢を選んでしまうのです。

FXとプロスペクト理論

さて、心理状態が意思決定を左右することがお判り分かりいただけたと思います。

プロスペクト理論をFXに落とし込んで話をしてみましょう。

プロスペクト理論をチャートに表すと以下のようになります。

Prospect Theory

利益を上げている心理的価値の上昇よりも、損をしている心理的価値の下落のほうが大きくなっています。

もうおわかりですね。

「利確をすぐにしてしまい、損切がなかなかできない」、その悩みは人間である以上誰でも抱えてしまいます。

多くの初心者が陥る罠でもあります。

おわりに

人間の心理状態は意思決定に大きく作用します。

このことを知っておいたうえでFXをすると格段に勝率がUPします。

今後もこうした心理学に基づくトレード法も記事にしていこうかなと思います。

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参考文献

Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk ( https://www.its.caltech.edu/~camerer/Ec101/ProspectTheory.pdf

プロスペクト理論( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E7%90%86%E8%AB%96

プロスペクト理論とは?投資に活かす方法、あなたの知らない心理学の世界( https://oneinvest.jp/prospect-theory/

カスタマー心理を突いたプロスペクト理論とは?事例も合わせて紹介( https://www.leadplus.net/blog/what-is-prospect-theory.html


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